k​.​TAMAYAN&​の​の​は​な​さ​と​詩 - か​わ​い​い​と​い​う​こ​と​に​つ​い​て

from つ​く​ポ​エ vol​.​1 by つくばポエムコア同好会

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lyrics

男の子たちにとっては、かわいいことがもっとも必要とされていることだと思う。かわいい女の子は、表立ってちやほやされるほどじゃなくても、周りはみんなやさしくしてくれるし、ことあるごとに話しかけられる。それが迷惑だってこともあるかもしれないけれど、たいてい悪い気はしないはずだ。
かわいいってどういうことなんだろう。かわいいって言って最初に思いつくのは、やっぱり顔だ。顔が小さいこと。それでいて、目がぱっちりしていること。鼻がちいさいこと。口角が上がっていること。肌がきれいなこと。あとは何かあるだろうか。
顔以外だったら、プロポーションだろうか。かわいいと思われるために、意外と必要なのは適度に背が低いことだと思う。それだけでちょこちょこして見えるし、小動物みたいっていうのはかわいいというのとほとんど同じなのだ。
でも背が高くてもかわいい子もたまにはいる。その場合はもちろん顔はかわいいのだけど、それに加えて天然だったりとか、仕草がかわいかったりする。仕草がかわいいっていうのは、ちょこちょこしてるってことで、それはやっぱり、背は高いけど小動物的だということなのではないだろうか。
20代前半くらいの若い子持ちの女の人は9割方かわいい。だけどまだ子供がいないカップルの場合はそうとも限らない。踏ん切りがつかないのか。何はともあれ、やっぱりかわいいほうからお嫁に行くのだ。
いま私が(私たちが)かわいいと思う基準って、きっと100年前、300年前、1000年前とは違うんだろうと思う。だからといって、いまのかわいいと思う意識を変えることはそう簡単には出来ない。でも、もし意識を変えることが出来れば、すべての女の子という膨大なリソースのうち、かわいい女の子という特定のカテゴリーに人気が集中することなく、それを効果的に分配することが出来る。と、ここまで考えたところで、世の中にはかわいい女の子だけではないということに気づく。かわいい女の子はかっこいい男の子とくっつくのである。
でもやっぱり、かわいくない女の子もかっこいい男の子とくっつきたいし、かっこよくない男の子もかわいい女の子とくっつきたい。やっぱり、人気は集中する。しかも相互に。
でも現実はかわいい女の子とかっこいい男の子がくっついて、かわいくない女の子とかっこよくない男の子がくっついて、うまくいっているのである。よく出来ている。
世の中はかわいいとかかっこいいという価値観ばかりではない。やさしいとか、頭がいいとか、足が速いとか、計算ができるとか、仕事ができるとか、気がきくとか、力が強いとか、芯があるとか、声が通るとか、おもしろいとか、いつも笑顔だとか、人を褒める言葉はそれ以外にも無数にある。でも、そんな中でもかわいさ(かっこよさ)はひと目見てわかるから、それに知らないうちに左右されるということはたくさんある。長く付き合っていれば相手の内面やその良さはわかってくるものだが、傍目を気にするとやっぱりかわいさ(かっこよさ)をひとつの基準にせざるをえないのだ。それに、誰にでも良いところはあるけれど、誰もがかわいい(かっこいい)わけではない。かわいいかどうかは、人を差別するための貴重な基準になるわけだ。
かわいい女の子は、自分がかわいいという自覚があるのだろうか。きっとあるだろう。

credits

from つ​く​ポ​エ vol​.​1, released January 18, 2017
music:k.TAMAYAN
lyrics:ののはなさと詩

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